2018/08/20
大和地所レジデンスさんの東京イーストガーデンが竣工し、
クライアントの社内見学会に参加。
東京メトロ東西線、南砂駅から歩くこと7、8分
マンションの立ち並ぶ一角に、特別目立つことはなく、
品のよい“クレマ”カラーで統一された建物が現れた。
でもいざ正面玄関の前で建物を見上げると、
ずいぶん彫りの深い建築であることが理解できる。
いっさいの派手さはないが、他では見られない造形の醸す深い陰影。
これはなかなか西洋的な顔立ち。
かなり贔屓目に言わしめるなら、
ミケランジェロやミロの陰影深い大理石彫刻のよう。。。
その彫刻が足元の高々とした深緑でいっそうこうごうしく映るのは、
デザイナーが高揚しているせいなのか。。。。
これでは誰もが惹かれますな。。。。
そう思わずにいられない。
この東京イーストガーデンではデザインにあたり、
社内チームは組まず、
自身がエスキースの段階より
詳細なおさまりを見越し、
建築内外のスケッチを描き進めた。
つまり第三者の手を介さず、
頭の中の造形をすべて建築にしたかった。
コンピューターを駆使してデジタルデザインし、
CAD(図面)化したデーターを、
現場CADで施工図化してしまう今の流れだけでは、
こういった面白みとムダ、言い換えれば人間味の感じる建築は
生まれないかもしれない。
数枚のスケッチを軸にして
クライアントや設計事務所さん、
ゼネコンさんが想像力を膨らませ、
それぞれの立場で解釈を加えながら
建築という具現性に向けて共同作業を進める。
それが理想の建築デザインスタイルであり、
起業して18年間変わることはない。。。。
これからマンションという商品は、品質やスペック、デザインだけでは売れゆかない。
専用部、間取りの多様性や先進性、アイデアのあるウリ部分、
そして共用部やランドスケープのコンセプトや見ごたえが
購入者へしっかり提案されることが重要。
そういった商品企画をはじめにじゅうぶん練りあげると、
おおむね事業の成否がその段階で定まる。
消費者の視線はシビアで正直。
この高企画のマンションはおかげさまでほぼ竣工完売している。
購入者さんたちの厳しい視線をクリアし、
商品の出来えに満足していただいていると想像したい。
でもそれ以上に満足しているのは、
高企画マンションにかかわった、すべての建築関係者かもしれない。