2015/07/28
インターデザインの藤高です。
分譲マンションのエントランスには自然石を使用することが多い。
デベロッパーは少しでも高級感を出したいので、とりあえず自然石を使えば建物の格が上がるというギョーカイ神話が根強いこともある。
ただし、自然石ならなんでも良いわけでもない。中国産の安い御影石(特に既成品の400角など)ではデザイン的にも微妙、石種にはこだわりたいところ。
墓石に見えない、高級ブランドショップにも使用されている石目柄がきれいな自然石が理想。
そこで、インターデザインではヨーロッパ建築好きもあり“ライムストーン”を提案することが多い。
しかしゼネコンさんからはいつもNGが出て使用できないことがほとんど。(社内規定で決められていることも多く融通が利かないのだ)
ヨーロッパの古い建築はほとんど“ライムストーン”なのに・・・“ライムストーン”は本当に外壁に使用できないのか???
実は今日、9年前に“ライムストーン”を外壁に提案させていただいた『キングレジデンス四天王寺』の近くを通りがかったのでチェックしてみた。
建物低層部に使用しているが、汚れはあるもののまったく問題ない状態だった。むしろ独特の風合いが出ていて、高級感が保たれていた。
当時使用した石種は“ライムストーンのジュライエロー”。
実はこの石は、ライムストーンの中でも水ミガキ仕上げができ、吸水率も低く、外部使用可能な“ライムストーン”なのだ。
しかし“ライムストーン”の多くはやわらかくて給水率も高い(汚れやすい)石種のため、メーカーも施工者もアフターのクレームを避けて外壁NGとなっている。
ようは吸水率が低い“ライムストーン”を正しい施工方法で使用すれば問題ないのである。
実際、六本木ヒルズでも外壁に多く使用されていて、かなりの公共的建築にも使用されているのである。
しかもライムストーンはヨーロッパ産の石では比較的安価な方なので、是非専門メーカーに相談し正しい使用方法を確認していただければ幸いだ。
◇分譲マンションデザイン監修実績800棟◇
株式会社 インターデザイン 担当:藤高周平
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