2015/08/09
インターデザインの藤高です。
分譲マンションの『デザイン監修』の意味を2回に分けて解説させて頂くブログの2回目は『デザイン監修』の費用対効果について。
3.『デザイン監修』の費用とコスト調整手法とは?
デザイン監修の費用は様々で、著名なデザイナーになると数千万ということもあるが、事業性を考えるとそこまでの予算はなかなか取れない。実情は数百万までが相場となっている。しかし、デザイナーの費用よりもデザインで建築費が圧迫することを心配されるデベロッパーさんが多いのも事実。事業を圧迫しないコスト配分と調整方法が必要になるのだ。
デザイン料や装飾工事費の捻出方法はデベロッパーさんにより異なるが、業界に多いパターンは次のふたつ。
パターン1:デザイン料を設計料の総額から捻出する方法
設計事務所の本来行うべきデザイン業務を代行する考え方なので、設計料からデザイナーの費用を捻出する方法となる。
一般的には設計料の10%くらいが相場となっていて、設計費の総額から捻出されるので事業費を圧迫されることはない。設計事務所もデザインが決まらず苦労するリスクが避けられるためお互いにメリットがあるのだ。
ただし、建築費用は当初の予算範囲で進めることも多く、手慣れたデザイナーを使用しないと建築コスト調整手間がかかることになってしまう。
パターン2:付加価値工事費用を予算取りし、その範囲でデザイナーを使用する方法
例えば基本スペックの建築工事費に対し、いくらかの装飾費用を予算組し、その予算範囲でデザイナーの費用と、デザイン関係でアップする装飾工事費を調整する方法。
基本スペックから付加価値が増えるので商品力が分かりやすくアップできるが、デベロッパー側にコスト調整の経験者がいないと、調整手間がかかることになってしまう。
4.『デザイン監修』のメリットとデメリット
デザイン監修の考え方は様々で、デベロッパーさんも限られた予算内でプロジェクトを収めるためデザイナーとの調整など様々な工夫を行っている。そこで、デザイナーを使うことで得られる販売上のメリットに対し、ありがちなデメリットを知っておくことも重要になる。
『著名なアトリエ系の設計事務所デザイナー』に依頼する場合のメリットとデメリット。
著名なデザイナーほど集客効果は高いと言われている。
しかし、販売価格が“億ション”クラスで、スケジュール的も余裕があるプロジェクトの場合は良いが、分譲マンション独特のルールがわからず、こだわりの納まりやこだわりの素材を使用するため、コストとスケジュールの調整に苦労させられることも多いのも事実。
又、メンテナンスにも気を使うことも必要で、デザイナーとのやりとりでも細かい配慮が求められ、担当者さんのスキルも重要になる。販売上のインパクトを得られるにはそれなりの覚悟も必要だということである。
『インテリア系デザイナー』に依頼する場合のメリットとデメリット。
インテリアデザイナーに外観や共用部を依頼される場合があるが、建築を触るということは様々な建築知識も必要になる。
特に外観などはコストに大きく影響するため、もらったアイデアを咀嚼し具現化できる設計事務所のサポートが必須。家具備品を使用した演出に長けている反面、建築的な調整はコラボする設計事務所の力量に左右されてしまう。
『デザイン専門会社』に依頼する場合のメリットとデメリット。
商品造りに積極的なデベロッパーさんほど『デザイン専門会社』や『意匠に特化した設計事務所』に依頼されている。
限られたスケジュールで確実に売れる商品化を進めたいため、図面作成や申請業務に手慣れた設計事務所を使いながら、デザインの足らない部分だけを経験豊富なデサイナーに代行させることで手間をかけずに商品造りを行っている。
又、分譲マンションンに手慣れたデザイナーほどコスト意識も高く、企業体質や経営者側が求める商品造りをサポートしてくれるといったメリットも大きい。
デザイナーをあまり使われないデベロッパーさんから良く聞く話だが、いつもお願いしている設計事務所は付き合いも古くて信用もしている。デザインに関しても一生懸命提案はしてくれているので、任せるしかないとのこと。しかし、パースが上がってからも毎回かなりの調整や変更しているそうだ。
結局、社内で事例がないことや、設計事務所とデザイナーとのコラボが上手くいくのか?といった不安感と気遣いくらいが唯一の“ハードル”のように思う。
『デザイン監修』料金表はこちら
※上記料金表は分譲マンションの場合です。新築賃貸マンション、商業施設の場合は別途お問い合わせください。
◇分譲マンションデザイン監修実績800棟◇
株式会社 インターデザイン 担当:藤高周平
◇東京オフィス:東京都港区南青山4-10-12 VICOLO南青山
◇大阪オフィス:大阪市中央区南本町2-2-2 明治屋南本町ビル
◇デザイン監修お問い合わせ:info@interdesign.co.jp