2021/06/24
東武練馬駅から北へ少し歩く。
武蔵野台地にかかるこのあたりの住宅地はおおむね坂道である。
当該の新築物件はそんな住宅街の勾配に面した、
駐車場跡地に建設された中層の分譲マンションになる。
最近の集合住宅は、ソリッドで角のたった面状デザインがもてはやされる傾向にあるが、
今回は、あえて角のとれた主張の控えめなデザインとしている。
言い換えれば“空気抵抗”の少ないファサード。
“cd値”の高いデザインで視線を受け流す意匠。
主張をおさえ、近隣の住宅地になじみ良くしたいという意図。
坂道に面し間口が広い建築の、外構と建築低層部に組石を用い、
緩衝部分をナチュラルに処理している。贅沢な敷地やランドスケープを持たない、
住宅密集地での集合住宅として、サプライヤー側からは、とても良くできた建築だろう。
ただし、今回も完工を待たず、3月には完売を果たしているので、
需要者、近隣のかたにとっても、共感し易い建築だったのだと思う。