2015/12/31
今年は地元甲陽園と信州蓼科に二つ、不動産を購入した。
甲陽園は築30年以上の区分所有マンション。
子供や身内が使うのか、
または賃借するのか未定だけど、
駅前で便利ということでほぼ衝動買い。
この時代の建築は一言で云うと、おおらか。
現在のようなミニマムに考え尽くされた、
いわゆる規格的なデザインや間取りとはかけ離れている。
空間としては使いづらいデッドスペースが家じゅうにあり、
家具の配置はあまり考慮されているとは言えない。
“住む人の創造力に任せましょう”的な発想がみえる。
加えて北向き住戸はフツーにあるし、
密に向かい合った住棟配置も違和感なく存在する。
家じゅう段差も多く、
設計者の自由度の高さがうかがえる。
もっとも自由な所は、浴室の入り口壁が木製サッシュ……。
これは相当に勇気が要るデザインだが、
コレはコレでアリかなぁ。
何分30年以上も前にこのマンションに暮らしていた住人達、
相当豊かでクリエイティブだっただろう……。
引き渡し時、重要事項説明を受けてさらに驚いたことは、
積み上がった修繕積立金が億単位、
それも滞納がゼロ。ゼロです……。
こういった部分は目につきにくいので、
専門でない人たちには分かりづらいが、
入居者の質こそ、マンションの質の高さを決める最重要ポイント。
マンションのデザイナーでも、
入居者の意識だけはデザインできないからね。