2015/10/01
工事施工者は“祭り”と呼ぶ。
祭りと云っても縁日のお祭りや盆踊り、
ましてや祇園祭、天神祭など華やかなものではない。
いわゆる地鎮祭や起工式、上棟式の類であり、厳かな神事である。
本日銀座5丁目で行われたのは竣工式、
竣工した建物を披露し感謝を示すための儀式。
実に4年間に及ぶ長い長い現場の竣工を祝う“祭り”。
式典の式事第を眺め、
数年前に同じ場所で執り行った地鎮祭を思い起こす。
長い月日を無事乗り切ったよろこび、安堵。
なにより施主、施工者、そしてウチのスタッフ。
みな何一つ変わることなく同じ顔ぶれでこの日を迎えたことが喜ばしい。
建築の現場で見知らぬものが顔を合わせ、
年単位の協業を行ううち、組織や個人の信頼関係が生まれて行く。
残念なことにそのメンバーで仕事をする機会はそう度々訪れない。
だから面白いのかもしれないが、
建築は“人”で結果が変わってしまう。
厳しくも素敵な世界‥‥‥。