2018/08/08
京都のほぼ中心、川端三条にかって存在した古いアパート
それなりに古き良き昭和の佇まいを放っていた。
学生の街、京都だからそれでも経営には困らなかっただろう。
そんな建物を解体して、新たにホテルを建設する。
いまの京都では決して珍しくない。
ただ建築オタクとして残念なことは、
往往にして資本経済が優先する事業だから、
元の建物を上回るような風情が再生されるというケースは稀である。
京都の景観条例において守られる色彩や形状の規制の中には、
“風情”や“情緒”を指し示すものはない。
一定の秩序を満たした計画において、
そこから先は事業主の都合や考えに委ねられてしまう。
幸いにも今回、古いアパート跡地に建設されたホテルは
“風情”や“情緒”を重んじる事業主からデザインを託された。
わざわざ海外から京を訪れる観光客に、
プライスレスな日本文化を体感してもらいたい。
財布の紐は固くとも、活きたオカネは出し惜しまぬ。
的な京都人の文化があるのかも知れない。
いまどき京都で積極的に経済活動をしている
“洛外”の企業のそれとは少しばかり異なる。
新しい京都スモールホテル・スタンダード。は決して言いすぎじゃない(^^)