2021/09/10

フィールド・オブ・ドリームス。

先日、MLBヤンキースとホワイトソックスのゲームが、
アイオワのコーン畑で開かれた様子の動画を楽しんだ。

映画、フィールド・オブ・ドリームスを実際にMLBがゲームとして主催してみせたよう。
キャストのケビン・コスナーと実際の選手が握手を交わすオープニングには少し鳥肌。
MLBの興業魂が見え隠れしても、そこは純粋に酔いしれる。

何よりデザイン、魅せ方がUSA的世界観に満ち溢れている。
コーン畑とボールパークという組み合わせはUSAのベーシックな文化であり、
これ以上でも以下でもない伝統と色彩がちりばめられていて情緒的。
野球でこんなに感動するものなの?と思わせる。

カブスのリグレー・フィールド、カージナルスのブッシュ・スタジアム、
3Aドジャースのチカソー、ブリックタウン、いくつかのボールパークを体験して思う、
街とファンとチームが一つのデザインに収まっている。という現象。
大谷のいるエンジェルス、アナハイム・スタジアムにいたっては、
敬愛するロバート・A・M・スターンがデザインを手がけているというこだわり。

なにより「ベースボール」のベーシックを乱すような派手な広告やユニフォーム、
タウンの景観やファンの振る舞いは皆無。
どこのベースボールタウンも100年前と同じ空気を漂わせている。多分。

翻って我が国の野球を取り巻くデザイン環境は歴史へのリスペクトを欠き、
日本の文化として育てていこうという理念が見えない。
まるで球場は駅前の商業ビルか電車のつり広告のよう…
この環境で、アロハシャツみたくユニフォームを着、働かないといけない選手たちは気の毒。

興業と商業の差は当面縮まりそうにない。