2003/11/01
November ’03
マンハッタンのミッドタウン、9番街58thストリート。
交通の便がさしてよくないこのエリアに2000年オープンしたホテル・ハドソン
http://www.hudsonhotel.com/は、ロケーションにもかかわらず連夜遅くまでバーに出入りするニューヨーカー(観光客?)で賑わっていた。
イアン・シュレーガーと、フィリップ・スタルクのコンビがこしらえたこのホテルはロビーやバー、ゲストルームにいたるデザインがすごくエキセントリックで、いかにもーといったインテリアがゲストの期待を裏切らない。
キネティックな照明と、オールドブリックやガラス天上から垂れ下がる緑の蔦が創る有機的な空間とのコントラストは美しいの一言。
ほぼ20年近く前に同じコンビが創ったモーガンズはアール・デコ調インテリアがいまでもクール。
こちらのバーも連日大勢の客を集めていてドアマンの大きな黒人のお兄さんがちょっと怖かったりする、それはそれでクールでしょ。
NYで次々に生まれる新しい文化とともに誕生したこれらブティックホテル(デザイナーホテルとか言う)のマーケット、ココNYでは十分熟成している。
比較的リーズナブルな料金設定も手伝って(欧州他都市から見れば決してそうではないけど)ホテルの稼働率は高いと聞く。
ただ、欧州のホテルに滞まり馴れしているゲストからすれば居住空間のボリューム不足は否めない。
ダブルルームを二人で利用すれば、スーツケースを広げるスペースが見当たらない。いつもホテルで仕事をする僕たちにはちょっとツライ。おまけにそこそこ充実したアメニティーも全てプライスリストのタグに包まれていて、なんかナーって感じがしてしまうがこれもNYスタイル?
タイムズスクエアのど真中、大手ウエスティン系列のWニューヨークは同じくデザイナーズホテルといわれるが、斬新な空間でもそれほどデザインにアクがなく、何より空間がゆったりしていて、居心地は悪くない。長期の滞在にもむいている。
いずれにせよ今後もラッシュが続くNYのブティックホテル建設。
バラエティにとんだニューヨーカーのハイレベルな選択に耐え残る彼らのクオリティは高い。
同じようにここ数年、大手外資系ホテルの建設計画が相次ぐ東京。
いずれも一流の空間をセールスにしたラグジュアリーホテルだが、一方的にホテル側の提案を受け入れるだけではなく、そろそろカスタマーニーズが育てて行くようなホテル創りを売り手、買い手両者に期待したい。(源)