2004/07/13
July ’04
ダブリン中央を東西に横切るリフィー川。
ロンドン、パリ、ローマ等大都市と呼ばれる街には必ずこの大きな川がつきもので、と言うより大きな川を中心に発展してきたのがそもそも大都市の形成過程ですが‥‥。
とにかくこのダブリンのリフィー川は何か他の都市の大河と様相が違う。
何かなー?としつこく観察してみると、護岸というか堤防がない。
つまり水面と道路が近いレベルに在るものの、たいした防護柵や手摺もないままに幹線道路が川沿いに走り、人も車も酔っ払いもフツーに往来する。
そしてそのあまり幅員のない幹線道路沿いに面して建物が並ぶものだから、ものすごく対岸の建物や人々を身近に感じる。
ちょっと大きめの隅田川みたいな、なんとも親近感をもつアイルランドらしい大河です。(いったい氾濫したらどうなんねん?)
そして街の中心地グラタン橋あたりでこの川に面するのがホテル『ザ・クラレンス』。http://www.theclarence.ie
ボク達を案内してくれたポーター、マルチネスはほんとにこと細かくホテルのシステムを説明してくれる。
急いでる時には少し大変‥‥。
デザイナーホテルと見まちがうばかりのしゃれたインテリアデザインはその昔閑散としたこのホテルをU2、ボーノが買い取り経営に乗り出し現在にいたる。
クラレンスの最上階(‥‥と言っても6階。)から望むダブリンの黄昏は少し憂いがあり、廃墟化したビルもチラホラ目立つ。
ケルティックタイガーと言われた90年代アイルランドの経済成長もロンドンあたりと比べると日本人ツーリストの目には脆弱に映る。
ガイドブックでいわれる美しいジョージアン様式の街並みなどロンドンの街並みと比べるとその簡素さ明確で、この国が数百年間もイングランドの抑制に耐え抜いてきたところである事を思い知る。
が、しかし、そんなセンチな心境も何処へやら、やがて街並みがどっぷり暗闇に包まれる午後10時も回ったあたりからホテルの部屋の外が騒がしくなり、2時、3時にはその騒ぎはピークを迎える。
若いカップル、中年のカップル、ゲイのカップル、おじいちゃんおばあちゃんまでそのカテゴリーは幅広い。
たまらず町へ飛び出してみる。
街中のアイリッシュパブの前には店から溢れた人たちが唄い騒ぎ、飲む。街中にはジム・モリソンのポスター。
“レコード”ショップには、マーク・アーモンドの棚があり、もちろんHMVはU2とシン・リジイのゾーンがデカデカと陣取る。
ここってほんまに21世紀?とにかくコアな音楽好き、アルコール好きにはたまらんダブリンの夜です。(源)