2002/12/01

ビルバオ  マリスカルのホテル。

友人のマルガリータは大の”北”好き。
マドリーのど真ん中、王宮のお隣に住んでいて、バリバリのレアル・サポーターにもかかわらず、”北”がほんとに好きらしい。

そんな彼女のお誘いで今回”ノルテ(キタ)”へと車を走らせた。
スペイン北部の街、ビルバオはバスク地方の首都であり、フランスの国境近くにあるカンタブリア海に面した大きな港町。

最近、日本でも人気のリーガ・エスパニョーラ(プロサッカーリーグ)でアスレティック・ビルバオの名前を耳にした事のある人も多いかもしれない。

クルマでサンセバスチャン経由、ビスケー湾と平行に走ること1時間足らず、やがて入り組んだ丘を抜けると目前に大きな街があらわれる。マドリーからは都合6時間弱で一気に走れる。

フォスターの地下鉄駅、ソリアーノによる国際会議場が完成し、フランク・O・ゲイリーのグッゲンハイム美術館がおおいに世界の注目を集める現代的な美しい町。
しかしここはかつての主産業である重工業が衰退し、文化的な近代都市への変貌期にある。

そして僕はといえば、グッゲンハイムもそこそこに、その真正面にある4ツ星ホテル ドミネ・ビルバオ  http://www.hoteles-silken.com/ghdb/に泊まる事が大きな愉しみであった。

ココはまだオープンしたてで海外どころかマドリーでもあまり知られていないらしい。予約をいれるがオフシーズンということもあり、ほとんど空室状態。
しかしホテルは期待を裏切らない。スペイン屈指のデザイナー、ハビエル・マリスカルがインテリアを手がけてるとあってかなり”とんがった”デザイン。

彼のキャラクター同様、フリーハンドの曲線から生まれた建築物が縦横無尽に空間を横断し、壁を覆う鮮やかなグラフィックが空気と絡み合う。それらは躍動的で愉しい。
ガラス貼りのバスルームの向こうにドアの無いトイレ。
ナカミチのオーディオが整然とおかれたメタリックなデスクまわり‥‥。

それから建物だけじゃなくアメニティなどのディティールも見事にデザインされている。ホンマにいいんかな?と持ち帰ったクリスタルケース入りのアメニティセット。
しっかり彼女も2つばかしゲットしてたのにはオドロキ。
ホテル内のスーベニールで売られているマリスカルの猫や羊の人形がベッドメイクと一緒に、にちょこんと置かれている。

ココは紛れも無く先端のデザインホテルだが、何より滞在を心地よくしているのはそんな充実したホスピタリティ。本当にここはスペインなのかね???と思いたくなるくらいスタッフのサービスはスマート。

オススメはグッゲンハイム美術館を真正面から見下ろす屋上テラスと2階にあるマリスカルのライブラリー。そして客の僕が引き上げる夜中の3時過ぎまで快くサービスしてくれたサロン奥にあるバー。

イタリアから出稼ぎのバーテンのお兄さんアリガトね。グッゲンハイムを見なくとも(そんなわけないか‥‥)このホテルに滞在するだけでもビルバオは訪れる価値アリ。(源)


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