2018/11/06
晩秋のボストン、傾いたえんじ色の陽が煉瓦の建物をより鮮明に映し出す。
アメリカでも最も古い都市のひとつ、ボストンはこの煉瓦の建築が多く生存している。
20世紀初頭の美しい煉瓦建築だけでみると、
ニューヨークやシカゴなどの同年代の都市でもふんだんに見かけることができるが、
自然景観、都市景観のなかにある煉瓦建築をみた場合、
圧倒的にボストンのそれはみずみずしい新鮮さを保っているようだ。
同時にボストンは新しい現代建築も盛んに見ることが出来、
煉瓦オマージュ?それとも行政指導?と勘ぐってしまうほど、
煉瓦材が新建築に用いられている。
現代の建築家がその街の伝統素材を活用するという意味で、
ボストン的なんだろうなぁ。
入り組んだ坂道や点在する公園、ラグーンを模したウォーターフロント。
必要であるべきところに必要な景観があり、
それが自然派性なのか意図的なのか区別がつかない。
日本の都市計画とは全く考えが異なっていそうな街全体のアトラクション性。
ひととおり知るには長期に滞在しないと無理だろうし、実際そうしたくなる。
ちょうどボストンへの機中に見たベンアフレックの Live By Night は
禁酒法時代のギャング映画。
ボストンの煉瓦建築を背景に、ギャングの抗争は止むことがなかった。
この建物もその舞台だったのか?そう考えてしまうリアルな歴史の遺構もこの街の魅力。
黄金色の紅葉が煉瓦と美しいコントラストを描き、
リッチで平穏な現在のボストンを印象付けている。