2017/10/03

カタロニア賛歌

スペインの文化に少し傾倒していた30代のころ、
ジョージ・オーウェルの著書を読んだ。
スペイン内戦のルポルタージュみたいな内容だったが、
ヘミングウェイの書くスペイン内戦とは正反対の
リアルで凄惨な内戦が記憶に残る。

カタロニア、つまりカタルーニャはこの内戦のずっと以前から、
独立と抑制の狭間にあった。
昨今のカタルーニャ独立運動のニュースを見聞きすると、
本棚のどこかに眠っているあの本のことを思い出す。

スペインのフランコ独裁政権が終焉して約30年後、
初めて僕がスペインを旅したころ、内戦がまだそこまで昔ではなかったように語られていた。
その同じころ、画家として単身スペインに渡った友人、
神津善之介くん。
それから25年、スペイン在25周年のメモリアルの個展が、
六本木のスペイン大使館で開かれている。

EU以前、マドリードでさえどこか牧歌的な空気を感じた(僕の好きなスペインだけど)
あの頃のスペインに揉まれ、画家として研鑽を積んだ善之介君の
集大成が見られる。

カタルーニャがスペインから独立しようがしまいが、
温和な彼の画家活動や画になんら影響はないだろう、
しかしこの運動をスペイン経済の立て直しにつなげることこそ、
歴史あるスペイン芸術全般の復興になることは間違いない。

スペイン大使館主催
神津善之介 絵画展 在スペイン25年の軌跡 ~paso a paso 一歩ずつ~

会期:2017年10月4日(水)~21日(土) *10/8(日)、 10/12(木)、 10/15(日) 休館
会場:スペイン大使館内 B1F 展示室 (東京都港区六本木1丁目3-29 Tel:03-3583-8531)
時間:月~金 10:00~17:00、 土 10:00~13:00
料金:入場無料


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