2017/05/03
吉田博は明治期に海外で活躍した版画家…
と何かの広告で見聞きしていた。
実際、浮世絵とは異なる水彩洋画みたいな鮮やかな色彩の版画を多く残している。
晩年版画制作に打ち込むまでは洋画家として世界を旅してまわった、
気概のある画家だったようだ。
上田市立美術館で画家の展示を見るチャンスに恵まれた。
ボクはたくさんの壁に掛けられた額縁の画より、
ガラスケースの中の展示に目を奪われた。
画家が旅先で描き留めたエスキースがつまったスケッチブック。
その素描の技量は、舐めるような目で画線を追いかけてしまう。
スケッチを描く仕事の自分にはこれ以上ない刺激だ。
旅先で良い絵画、良い建築に触れられた。