2016/10/01

ケビン・クロトワくん

フランスへはもう何回渡航しただろうか。
25年前に結婚してすぐに…。それがボクの遅いフランスデビューで、
その後は何度となく仕事やプライベートでパリや南仏、地中海方面と。

なかでもフランクフルトからアウトバーンを駆って、スイス・ジュネーブ経由で、
レマン湖湖畔のエビアン・レ・バンまでを旅した感動は今でも鮮明だ。
街中の泉からEVIANが湧き出していて汲み放題、飲み放題。
もっとも水だけをそんなに飲めるわけでもない‥‥‥。

でもそうまでしてフランスを訪ねるのは、
スペインやイタリアとはまた異なるフランス独自の文化に深く触れたいから。

日本人はフランスが大好きだと思う。
いや、昔から日本人にとって、欧州といえば仏蘭西、巴里(フランス・パリ)
と考えるのは自然的かもしれない。
幕末に日仏修好通商条約が結ばれ、フランス人が横浜や神戸の居留地に入植し、
日本人はそれらを好意的に受け入れてきた。少なくとも民間レベルでは。

たとえばイタリアやイギリスに比べてポピュラーなフランス文学。
文学と云えば難しく聞こえるが、
子供のころから絵本や映画で、サン・テグジュペリやビクトル・ユゴーを見た人も多いだろう。
その他にもモーパッサン、バルザック、カミユ、サガンなども日本人には馴染みがある。
ある意味日本にもっとも影響力があるアメリカの文学より親しまれているともいえるかも知れない。

フランスの文化は食事やファッションにおいても日本人にとっては憧れで、
冠に “ おフランス ” がつくことに日本人は無抵抗に弱いと云えるのだ。
ただ一つ、言語を除いては……。

ケビンことケビン・クロトワくんはフランス、ディジョンの出身。
フランスの芸術大学大学院を卒業して日本で数年をすごし、縁があって今はインターデザインの社員として働く。

基本的には日本の若者と同じだが、
価値観や生活習慣など、彼から良い気づきを得ることは多く、興味深い。

フランス人らしい合理的な考え方と同時に、
繊細な思慮深さは日本人が持ち合わせないところ。
さまざまなデザインスキルを発揮してくれるが、
根底にあるデザインへの思い入れと人への愛情は日本人と共通していてうれしい。

多様なクライアントへデザインを提供するボクたちだけに、
デザインと真摯に向き合えるスタッフはお客様にも真摯に向き合うことが出来る。
残念ながらそれれが出来ないスタッフは事務所を去っていく‥‥‥。

新しく文化の交じるところで新しいものが考え出されていく。
国籍などは無意味。良いデザイナーが会社を強くしてくれる。


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